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セキュリティ対策の基礎知識

【第2回】セキュリティで儲ける 〜大口顧客獲得策

経営に資するセキュリティ対策:事業継続
当記事は、2010年3月4日の「セキュリティで儲ける」セミナーでお話した内容に準拠しています(前編)

経営者って、

豪放磊落に見せても、大胆で果敢に見えても、人脈厚く、人付き合いに長け、行動力に満ちている方でも・・・・

皆さん、
孤独を抱えておられますし、
失敗の恐怖を感じつつ・・・
これを隠して、または、押し殺して、過ごしておられるものでございます。

私の知る限り、事業継続とリスクについて、考えたことのない経営者さんはおられません。

事業継続マネジメント(BCM: Business continuity management)とは、 企業が、さまざまな要因で、業務を停止せざるを得ない状況に陥るリスクについて、考え、対策して、業務を止めない仕組みをつくることです。

つまり、『何か』が起きても、
お客様に対して、継続してサービスを提供し続けること、
サービス提供の欠落を最小限抑えるような経営をすること
を 事業継続と呼ぶわけです。

そして、起きるかもしれない『何か』とは、

  • 地震、火災、津波、火山噴火などの自然災害
  • ミスや不正などの事件事故といった人的災害
  • 機器設備の故障や、IT障害(システムトラブル)など
  • 新型インフルエンザ、BSEのようなパンデミック

などなど、結構、そこらにころがっているものです。

ただ、弱気を振り払い前を向くときに、そこらあたりの懸念も振り払ってしまわれる経営者さんも多いようです。

綱渡りをするときに、下を見すぎると足がすくむので、視ずに平地と思い込んで走って進む・・・
そんな感じでしょうか。

普通に、『それでは危ないですよ!!命綱や下に網を張る準備も・・』ということも申し上げたいとは思うのですが、

今回は、視点を変えて、大口顧客獲得のために事業継続性を高めましょうというお話をさせて頂きます。

大口顧客と言っても、2種類あるかもしれません。

A: 取引先が大企業で、相手の事業規模からすると大きくないが、自社からみると大規模取引となる
B: 取引先の規模に関わらず、相手にとってもその事業継続を左右する大口取引である

Bパターンの取引先にとっては、御社の事業継続性は、自分の事業継続性を左右する大問題であることは、間違いありません。

現実、不況業種にあっては、取引先の与信管理(相手が潰れないか)は、売るほうも買うほうも、取引先選定のかなりの比重を占めています。

では、Aパターン
大企業にとってはどうでしょうか?!

こちらにとっては、大口取引だけれども、相手の大企業にとっては、さほどの取引規模ではない場合です。

大企業
たとえば、最近話題のトヨタさんとか、JALさんの規模の企業が、業務や事業を停止してしまったら、社会は混乱してしまいます。

そのため、大企業には、特に事業継続性を高め、維持するための対策が、義務付けられているのです。

会社法に定めれている、内部統制の確保の義務もそうですし、J−SOX法だって、目的は健全な事業継続の確保を求めたものなのでございます。

つまり、事業継続の視点から、取引先を選定し管理する義務を負う大企業は、

  • 取引先の商品サービスの品質確保
  • 取引先の商品サービスの安定供給
  • 取引手続きの迅速性(システム対応など)

といったことを確認するために、普通、取引先の事業継続性や内部統制のあり方を見なければならないのです。

特に、特殊工程などを委託したりする先での品質管理のあり方や、新商品や技術情報を共有する下請けのセキュリティ対策の状況は、大きなファクターとなります。

取引先で情報漏えいなどの事件事故が起きにくい状況でなければ、いくら大企業が社内でセキュリティ対策にお金をかけたとしても、取引先から洩れる可能性が高いですものね。

また、取引先の状況を調査、指導、監査したりといった業務も、かなり煩雑なものとなるでしょう。

生産を含む、取引周りの統制を確保し、
セキュリティ対策を施し、
対策状況を容易に提示できる状況を保つことは、
大口顧客確保の視点から、大きな差別化対策でもあるのです。

でもでも、そうそう大きな金額をかけるわけには参りませんよね・・・・・

次回は、具体的に何をすればよいかについて記事にしたいと思います。

経営に資するセキュリティ対策:事業継続
当記事は、2010年3月4日の「セキュリティで儲ける」セミナーでお話した内容に準拠しています(前編)

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